渦の中
孤独の表面張力が崩れたら
まもなくこの船は流されるだろう
救難信号が散る場所へ
私は私のままであれ
求めないことの理由
あなたの終わりを見たいという私の欲望1つ
望みどおり叶うらしい
これが誰の欲望なのか教えてくれない
だけどそれがいい
特別扱いは不可視の頷き
暗さの中でやりとりしよう
ジャンプ
バニラの夢の中にいる。なんて器用な夢なのだろう。僕の欲しいものだけを与え続けてくれる。現実を蹴りやって僕をどこへ連れて行く?そのくせ誘いをかけたまま、溶けきるまえに帰してくれる。
本当に一体となるには自分の意思でフレームを捨てなければならない。君のことを君と呼んでいる間は一つになれない。
だけど君のことを君と呼んでいられる時間は心地いい。僕の指の感触は君だけが感じるべきものだし、君がまばたく音を僕が聞きたい。だから僕はフレームを捨てない。
もしかしたら、もうすでに僕の中には何人かが溶け込んでいるのかもしれない。ああ今右のこめかみを触っただとか、触れたのは本当は僕ではなかったりして。
次会うときの心構え
ねえばあば、私あなたの孫だから化粧しないで会いに行くね
肝心なのはどう溶かすか
僕が三半規管に隠しているやつのことを知っている君
だからそんなものを作るんだ
耳、目、舌、皮膚などから波を垂らしていく
するとダラダラと溶け出していく
でも頭蓋骨などのフレームが抵抗して沸騰した鍋のように揺らぎ出す
形のあるものはみな壊れるし、形のないものも溶けていく
ジョージ伯父さん
両手に食い込む暇
何をしようにもこの暇を振り払わなければできない
まあだから、弄ぶしかやり方はないんだなと
遺伝子から悟った