避雷針

妄想が多め

共有できる季節

 

ピアノが揺れる

カーテンをまくる風はまだ冷たく

 

幾度となく庭で遊んだ

芍薬、ポピーなど

全て大切だった

全て愛くるしい顔をしてこちらを覗いた

土も陽光に照らされ輝いていた

知らない子と駆け回る

風で帽子が飛んで行った

 

目の前に麦わら帽子が降りてきた

帽子の持ち主はどこにも

同じ季節にいるというのなら

ここまで夢想に耽ることもないのに