避雷針

妄想が多め

世間さえよければ

自分が死ねばこの世の悪いものは全て無くなるのにな、という甘えが蔓延る世俗 心地よいものは正しいって教わりたかったね 世間さえよければ

金貨跳ねて

あの子が美しい 俺のために生きていない体 独占の欠片を跳ね返していく 手を伸ばすことさえ躊躇う寄生虫のせい 思考回路を潰して砂糖で煮れば誰かを養うジャムになる 食って飾って高音域の支配の下 ただ明日からも生きていきたい

香水瓶の ショーウィンドウのガラスの ペットボトルの ビニール傘の メガネレンズの 液晶画面の 中を流れ行く

消極的に人工的

屋根の上でスキップしている 何か 深夜3時 苦情の一つでも言いたいところ しばらく聞くと 不規則な足音だった 君も苦手か 定期的に踏み込むということ

ものを言う

待って 聞いて そんなわけない 絶対そうだ 私は何でもない 選択に締め出される 判断される側だから 繰り返すことでは満たさないわけだ 5w1hが足りない 理解できない そうして窒息する 呼吸を問う術を忘れた

情けのある国の人 その国が今、白い目で見られている 気づいていた、でも黙っていた 情けのある国の人 情け深いと口にし 面構えだけ肥大化 風刺画に紛れ込んでいた 情けのある国の人 害を被ったと自負する罪 軽いですか、そりゃ良かった まだ1番だと思ってい…

どこ行く

死んで 目に見えない速さで宇宙の闇の先へ飛んで 巨人になって 変わらぬ生活 地球はBB弾になって かつてともにあったものを見ることができなくて そういうもどかしさだと思う

尊ぶ事項

あなたと出会える世界線が「もしも」の方でない 「もしも」の世界線ではあなたすら知らないこと との差 今いるところ以外、私は何も所有したくない 謹んでおしまい申し上げます

希望や夢や愛エトセトラ、禁句なんですよ

箱の中身はなんだろなゲームで両手を突っ込んだ 周りの人たちの悲鳴 慎重にね 右手の中指の先に少し触れた えーっとなんだっけなーこれは、ゆ… はい実態のないものに関しては言わないでくださいね 口に出せば存在するみたいな顔して言ってるけど そんなもの…

忘れ物ボックス

・世を憂う眼 ・まなざしを浴びた月 ・君の代わりに不死身 ・虚偽はほどほどに ・済まぬ小用 ・点線のドア

これでおしまい

午前6時 灰色、白 午前7時 青、肌色 午前8時 クリーム色 午前9時 クリーム色 午前10時 クリーム色 午前11時 クリーム色 正午 肌色 午後1時 クリーム色 午後2時クリーム色 午後3時 クリーム色 午後4時 肌色 午後5時 肌色 午後6時 赤、肌色、オレンジ、水色

名前とか所属するところとか所有してるもの 全て含めて取っ払って見えた君の 擦った地面を目でなぞった初夏、砂の白さが背景だった 「星ではなく銀河の空中、大気、つまり星を包む闇だ」 あの頃の言葉を借りるなら 銀河から続く夜の帳 目の前の暗がりは君ら…

むしゃくしゃしたからやった

こんなことでイライラするな、ということでイライラしていてどうしようもないので自死するとき何を思うか、夕方のバス停で考えてみました。 出てみれば外は寒い。昼間の正月晴れのような気候は見る影どこにもなく、半袖Tシャツで出ようかと迷った自分には一…

求む、孫の手

‪ ‪体に滴る銀の泡を‬ ‪拭ってもまだ溢れてくるから‬ ‪なんでなのか聞きたくなった‬ ‪どこにいてもいいしどこにもいなくていい私が‬ ‪義務教育だけでは足りず大学にまで‬ ‪なんでと聞きに通ってる‬ ‪かゆいところはございませんか‬ ‪明日の晩も銀の泡を‬ ‪拭…

始発後

カラスだ、目が合ってしまった お前、自分のことすごい好きだろ 嫌いだよ 何もしないのに誰かに期待して、期待通りに行かないと不機嫌になって 自分でなんとかしようと思わないような人間だし、口だけ達者で何もしない、迷惑な人間 くそくらえ、てめぇの 花…

せんげん

「のりこえられるしれんしかあたえられない」 めのまえにきたるひのぱんとくりかえされるひびのぎゅうにゅうがはいぜんされます ぼくたち/わたしたちはそれらをよくあじわっていかなければなりません あじわうことはすきでおこなわれることじゃなければなら…

俺の女の子

思い出す 日曜の昼 ショッピングモールに出かけて キッズルームで遊ぶ彼女をただ眺めていた 一通り買い物が済んで 車に乗って帰る時 オレンジ色の微笑みが眠る彼女に降る 明日の決意を密かにする 俺の女の子は 今等しく情熱を分かつ 若い男の子と 俺はその情…

簡易夜空

くしゃくしゃと丸めたガムの銀紙の中に 無数の星が広がっていた 天と地が反対になって 私は夜空に落ちた 足元に星が散らかっていた 蹴飛ばしてみたり飛び跳ねてみたり 動き出した星は加速して どこかへ消えていった 紺色の地平に腰掛けて 右手で星を浚う で…

贅沢

ドライヤーの熱風に吹かれて いつかのことを思い出した お母さんの手は強引に私の髪を梳かして 痛い、もっとやさしく と嘆いては じゃあ自分でやりなさい と叱られ 不本意ながらごめんなさいをし 不機嫌なまま髪を結わいてもらう 欠けてるから欲しいのではな…

季節柄

気温に反比例する街の輝き 道行く人を平等に照らしてやってもいい 諸人こぞる、しかし私の空気 思い上がるような話ではないけれど 少々香ばしい思い出である 協会にて 荘厳は怖い 忠実な絵画は動かない それでいて生身の人間が動く 静かに響く賛美歌 干上が…

体に悪いことをしよう

少しの罪悪感も感じてはならない なぜならこれは快楽だから 折り曲げられた生膝が艶めかしく飛ぶ ブーメラン突き刺さる春の夜中

自分の機嫌は自分で取れ

疲れちまってるんだよ、放っておき 貴方は言う 掌は額に触れ、そっと撫でる 前髪を親指の先で2、3度はらう 眠る顔は幼く見えて、訳もなく涙が落ちる 都市に繰り出すとき、人は0でなければならない この都市の人々はマイナスを帯びた0 そして眠るとき、やっと…

はりつける

僕は首を傾げた 人が壁にはりつけられている これは何の広告なのだろう 駅のホームやビルの看板にはりつけられている 彼らは呻く、商品名を 新手の広告だな 生身の人間の身体を使うだなんて 型落ちしたネットニュースが騒ぐ 新たなメディアの誕生 いろんな表…

雨の日

あっ 母のお叱りが待っている 遭遇しないよう、自室で詩を読む 嵐の前の静けさというけれど 人が勝手に作り出すものなのであって だから他人事に言うことはできない 静けさを作ることで、後には大層なものができあがる なんというイリュージョン

滲み

滲みはどこまでも境目のない 曖昧なままでなだらかに終わっていく グラデーションは静かに移り変わる色 と決めつけたがりは思っている アナログは本当にアナログなのだろうか ミクロの存在に問うてみる 線引き、区画、どれもこれも生活必需品 滲みも 解像度…

凝視とパッチワーク

彼女は自分を見つめていた 穴が空くほど見つめていると思ったら 穴が空いた その時の彼女の顔 喜怒哀楽の四択から消去法で哀 私はその穴をなくすことができない すると笑顔の女性が 使い古した布きれでパッチワークを作った その時の彼女の顔 喜怒哀楽の四択…

この赤

地球外生命体とかいうやつに遭遇した たぶん、そんな感じだと思うけど 驚きすぎて鼻血出した すると向こうが腕を爪で切って、皮を剥いて向こう自身の体液を見せてきた 綺麗な黄色の液体だった、そのまま向こうはどこかへ消えていった それが何を示すのかは知…

避雷針

私が刺されます私が私が 何もしない、何とも思われない 私はこの役目を誇りに思う 突き立てられるワイヤーに喉元を差し出す 私だけが心地よくなる犠牲 怯えている人をよそに、見上げて、一突きを待つ

生乾き

まだ乾かぬ傷口は物語を終わらせない 細胞にまで持ち主の性格の遺伝がいっているようでなにより 眠る前に隣とおしゃべり、楽しくて眠れない 毎度終わりは不本意に訪れる でも今回は 細胞が煩くて 私から話を切り上げた 体は正直とよく言うけど もしかして正…

単発〜OK!新時代型のおしごと!

【◎単発OK!超簡単!アルバイト】 帰宅ラッシュのベルトコンベアで運ばれてくるお客様に、等間隔でいらっしゃいませを並べるだけ! Q 人と関わるのに、そんなに機械的でいいのでしょうか? A 相手もこちらを機械としか見ていないので大丈夫♪ Q 接客の姿勢と…